昨年、アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞した、韓国映画「パラサイト」が地上波で放送され、再び話題になっています。
今回は、ストーリーや出演者についてご紹介します。

韓国のリアルが描かれた「パラサイト」

日本では2019年12月27日から一部の劇場で公開された後、2020年1月10日から全国公開となりました。
世界各国から注目が集まっていたこの作品は、韓国の格差社会への失望や貧困層の現実などが描かれており、様々なことを考えさせられる映画です。
格差や貧困は全世界に共通する課題であるため、作中に描かれていたことは非常に話題になりました。
ポン・ジュノ監督が手掛けた「パラサイト」は、アジア映画初となる作品賞を含む最多4部門を受賞する快挙を成し遂げました。
今回この映画が高い評価を受けたのは、脚本力や出演者たちの演技力にあります。

理解して楽しむ

「パラサイト(parasite)」とは、もともと英語で「寄生生物」を意味する言葉であり、作中でも、裕福な家庭に寄生する様子が描かれています。
一方、カタカナで書く「パラサイト」は、「他者に依存する者」という意味で使われており、まさしく今回の映画の題名にピッタリだと思いませんか?
この映画は様々な表現法で格差や貧困の差が描かれており、同じ韓国だとは思えない2つの世界が登場します。
2つの世界とは、何不自由なく生活する富裕層の暮らしと、ギリギリの状態で生活している貧困層の暮らしです。
本来交わることのない2組の家族が、あることをきっかけに一つ屋根の下で同じ時間を過ごします。
しかし、半地下で暮らしている貧しい家族は、体に半地下特有の「におい」が染みついてしまっており、裕福な家族がそのことを知らずに口にしてしまうのです。
「軽蔑」と「屈辱」がクライマックスの鍵を握り、ラストに大きな展開を見せます。

圧倒的な演技力

この作品に登場する役者たちの演技力は非常に高く評価されました。
セリフだけではなく、役者の表情によってより一層リアルに感じることができ、観ている観客を夢中にさせました。
物語が進むにつれ役者たちの表情がどんどん変化し、クライマックスシーンでは全くの別人のような表情になっているのがわかります。
豊かな表情で魅せるこの映画は、世界中の人々を魅了させました。

多くの人々に影響を与えた「パラサイト」は、アジアが誇る素晴らしい作品となりました。
作品を観ていない方、そうでない方もぜひ観てみてください!