
7月18日に亡くなった俳優の三浦春馬さん(享年30歳)の主演映画『天外者(てんがらもん)』(田中光敏監督)の公開日が12月11日に決定しました。
なぜ公開日が12月になったのでしょうか。
『天外者』はどんな映画か
三浦春馬さん演じる主人公『天外者』は、薩摩藩士であり実業家である五代友厚という人物です。
2015年のNHKドラマ『あさが来た』でディーン・フジオカさん(40歳)が演じた人物として印象に残っている人も多いでしょう。
幕末の青春群像劇として描かれる今回の映画では、共演の三浦翔平さん(32歳)が坂本竜馬を演じます。
三菱財閥の創始者で龍馬と同じ土佐藩出身の岩崎弥太郎には歌手の西川貴教さん(50歳)、三浦さん演じる五代の妻には蓮佛美沙子さん(29歳)がキャスティングされています。
幕末の激動の時代に翻弄されながらも、薩摩藩士らしい武士の魂を持って明治政府の役人としての手腕を発揮していく三浦春馬さんの熱演が見どころです。
なぜ2020年12月11日公開なのか

『天外者』の撮影は2019年の10~11月に京都の松竹撮影所で行われました。
クランクアップは2019年11月で、『天外者』という映画タイトルは2019年12月に決定しています。
2020年2月には映画のダビングがスタートしていて、仕上げの段階に入っていたようです。
つまり、2020年の春の段階ではいつでも公開できる体制で、2020年夏の公開を目指していたと考えられます。
それが、なぜ2020年12月まで公開を待たなければならなかったのかを検証してみましょう。
・新型コロナの影響
ちょうどダイヤモンドプリンセス号の船内で新型コロナウィルス感染が拡大したのが2020年の2月です。
日本国内ではマスク不足が起き、3月には東京都が外出自粛要請を、ゴールデンウィークには政府が7つの都道府県を対象に外出自粛を強く要請しました。
まさに、公開日を決めるタイミングで新型コロナが流行したため、『天外者』の公開日はなかなか決まらなかったと考えられます。
コロナウィルスの感染拡大を受けて公開を延期した映画は多く、実際に夏の新作映画で公開を延期している作品は他にもあります。
・主演の三浦春馬さんの死去
コロナ禍で公開日が決まらない中、7月18日に主演の三浦春馬さんが自ら命を絶ちました。
『天外者』は三浦春馬さんの遺作映画となるため、公開日も慎重に検討され感染拡大が安定する時期を見極めて決定されたと言えるでしょう。
『天外者』とは薩摩弁で「すごい才能の持ち主」という意味です。
若手演技派俳優としての素晴らしい才能をもった三浦春馬さん演じる五代が、激動の時代を切り開く姿をぜひ楽しみに待ちましょう。