ローカル番組で、「住みます芸人」という肩書のあるタレントを見たことはありませんか?
「住みます芸人」とは、吉本興業ホールディングスの事業として始まり、現在はよしもとエリアアクション社が運営するプロジェクトの名前です。
今回は、地域密着型の仕事が多い「住みます芸人」について調べてみました。

 

「住みます芸人」とは?なぜ地方へ?

これまでタレントやお笑い芸人の活動は、東京や大阪がメインでした。
現在でも、全国区のテレビに出演するか、お笑いの本場である大阪で活躍することがステータスだと考えられています。
地方局の番組に出演したり、地域のイベントで活動したりするタレントもいますが、全ての地域に専用タレントがいるわけではありませんでした。
タレントを呼びたい場合は市町村が事務所に依頼し、東京や大阪からタレントが派遣されてくるのが一般的だったのでしょう。
当時の吉本興業は、「地域に密着した芸人をつくり、日本中を盛り上げよう」と考えました。
子会社のよしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属するタレントを、全国の都道府県に派遣します。
さらにタレントはその地域に移住し、「住みます芸人」と名乗って芸能活動をスタートしました。

 

コンビはどうなる?新たなグループができることも

基本的には一組単位で派遣されていますが、コンビとして活動していたお笑い芸人のどちらか一方が住みます芸人になることもあります。
例えば神奈川県の住みます芸人堤下敦は、元々お笑いコンビ「インパルス」の一員でした。
相方の板倉俊之は、神奈川県の住みます芸人にはなっていません。
住みます芸人としては堤下だけ、都内での仕事では板倉1人、またはコンビで活動することが多いでしょう。
また、新潟県のように住みます芸人が数名集まってグループとして活動するケースも見られています。
それぞれ単体でテレビ出演することもありますが、地域のお祭りなどのイベントではグループとして盛り上げることが多いようです。

 

どんな人が住みます芸人になる?地域出身者が多い

住みます芸人として派遣されるのは、主に東京や大阪を拠点としていた若手芸人で、ほとんどが自分の出身地に派遣されています。
ただし北海道や沖縄のように吉本興業の支店や事務所がある場合は、その管内で活動していたタレントがそのまま任命されることもあります。
地域のイベントを盛り上げることはもちろん、特産品やお祭りを全国に広める役目も期待されているでしょう。
派遣されているとはいえ、ただ笑いを提供するだけでなく地域の経済に貢献して結果を出さなければなりません。

 

現在、住みます芸人は日本全国に派遣されています。
さらに、台湾やタイ、フィリピンなどのアジア諸国にも活動の場が広がっているそうです。
吉本興業の名が世界中で知られるようになるかもしれませんね。